top of page

11月27日(日)映画『夢みる小学校』上映会開催!ともに問い合って、より良い答えを見つけるために(NPO法人トモニトウ)

さまざまな立場の大人たちが教育と地域について考え、地域と学校をつなぐ活動を展開する「NPO法人トモニトウ」。今回は、高校の教員でありながら代表理事も努める金子容子(かねこ・ようこ)さんに、「トモニトウ」設立の背景や11月27日(日)にロゼホールで上映予定の映画『夢みる小学校』についてお話を伺いました。


学校と地域をつないで。「トモニトウ」が目指す未来

「トモニトウ」で活動する金子容子さん(写真提供:金子容子さん)

――金子さんにとって、学校や地域、教育といったキーワードは以前から身近な存在だったのですか。


大学での専攻は英語でしたが、学外の活動として大学近くの児童養護施設にお手伝いに行ったり、フィリピンで親と一緒に暮らせない子どもたちを支援する活動をしたり、在日外国人児童のための学習支援もしていました。当時から「教育」や「子ども」といったキーワードに関心があったのかもしれません。 本当は、卒業後もそれまでの延長でNPOのような活動を続けたいと考えていたのですが、縁があって通信制高校の教員として就職しました。その高校では、生徒たちと一緒にフィリピンでボランティア活動をしながら、現地の人と交流するというプログラムを担当していました。

そのときに思ったのは、現地の子どもたちよりも日本の子どもたちが抱える課題の根が深いということでした。 その辺りから「教育とは何か」と考えるようになったんです。学校という枠組みの中でできることももちろんありますが、長年、教員として働く中で、少しずつ学校内でできることは限られていると感じるようになりました。


――なるほど。ではその結果、学校という枠組みを超えてできることを模索し「トモニトウ」設立に至ったということでしょうか。


そうですね。「子どもたちが生きていく上で必要な力を育てること」や「その人がその人らしく楽しく生きていく手助けをすること」は、学校内でももちろんできます。

ですが、学校内だけだと決まりきったことだけになりがちだと思うんです。学校の外でできる可能性をもっと探ってみたいと思い、共感し合える仲間とともに、2022年2月「トモニトウ」を設立しました。


――設立後、すでに「ともに話す」や「ともに学ぶ」など、さまざまなプログラムを実施していると思います。それぞれのプログラムは、どのように生まれるのですか。


設立した当初、具体的なプログラムが明確にあったわけではありません。子どもや教育、地域といったキーワードで何ができるかを話し合う中で、メンバーが得意なことやできることを持ち寄ってさまざまなアイデアが生まれました。

「トモニトウ」という法人名にもあるように、ともに問い合うことで、より良いプログラムを作っていくことができたり、より良い答えが見えてくるのではないかと思います。

試行錯誤中ですが、一緒に活動する皆さんがいなかったら今こうして、活動できていなかったはずです。


――ともに問い合うことは、とても大切だと思います。金子さんが今後「トモニトウ」で実施したいと考えていることはありますか。


「学校を内から外へ開いて地域とつなげる」ということをやってみたいと思っています。具体的なプログラムはこれから考えていくつもりですが、地域のさまざまな場所が子どもたちにとっての学びの場になることを期待しています。

また、「みんなが希望を持って生きていける社会にするために何ができるか」ということを互いに問い合いながら活動していきたいですね。


――ありがとうございます。今後の「トモニトウ」の活動がますます楽しみになりました。



天体観察会「星に近づく夕べ」をレポート♪


「トモニトウ」では、設立以降


  • 読書会「ともに読む」

  • 対話や講義を通し、ありたい社会の実現に向けて、こどもにとって居心地の良い教育のあり方について学ぶ「ともに話す」

  • 地域の文化や活動などについて体験や対話を通じて参加者が共に学び、知識を深める「ともに学ぶ」

といったさまざま活動を展開しています。

活動の一例「ともに学ぶ」/「西塩子の回り舞台」の里で実施した田植えイベント(写真提供:NPO法人トモニトウ)

今回、11月12日(日)に行なわれたパークアルカディアケビン村での天体観察会「星に近づく夕べ」にお邪魔しました。


5月の実施に続き、2度目の開催。今回はなんと60名以上が参加!まずは管理棟で、星についてクイズ形式で学びます。


冗談も交えながらクイズ形式で星について学ぶ参加者の皆さん。管理棟に楽しそうな笑い声が響きます。

星の大きさはどれくらい?星はなぜ光るの?天の川はいつ見えるの?といった星にまつわるさまざまなクイズが先生から出されます。

冗談も交えながらのクイズで、会場内に子どもたちの楽しそうな笑い声が響いていました。


星について学んだ後は、お待ちかねの天体観察。外はもう真っ暗。日中晴れていたこともあり、天体観測に期待が高まります。


先生と一緒に、管理棟から望遠鏡が準備されているグラウンドへ向かいました。立派な望遠鏡から見えるたくさんの星たち。先生の解説付きで、より一層楽しめたことと思います。

望遠鏡から見える星に子どもたちからは驚きの歓声が!(写真提供:NPO法人トモニトウ)

一通り望遠鏡をのぞいたら、バーベキューハウスへ。


バーベキューハウスにて、軽食を楽しむ参加者の皆さん

焼き芋、焼きりんご、焼きマシュマロのほかにも、冷えた身体にしみる、けんちん汁の差し入れもありました。

最後は、再度グラウンドに集合し、望遠鏡で月のクレーターを観察しました。


実際に学んだあとの天体観察。参加者の皆さんにとって、とても有意義な時間だったことでしょう。



映画『夢みる小学校』を通して「当たり前を問い直す」機会を持ちたい

「トモニトウ」が次に予定するのは、映画『夢みる小学校』の上映会。この映画は、ありのままの自分でいられる、子どもファーストな学校を描く、未来の教育ドキュメンタリーです。



金子さんからこの映画を上映することになったきっかけや見どころについてもお話を伺いました。


――わくわくが止まらない、希望あふれる未来の教育ドキュメンタリーということですが、『夢みる小学校』を上映しようと思ったきっかけはありますか。


映画と出会ったのは「トモニトウ」の活動を始める前で、とても面白そうな映画だと思い、クラウドファウンディングで個人的に応援をしました。

実際に私も見て感じたのは、目から鱗の映画ということ。私たちが当たり前のように学校で学んできたことや学校で過ごしてきた時間が映画の中では全く異なりました。「こういうやり方もあるんだ」と新しい発見がたくさんあったんです。


この映画をきっかけに「当たり前を問い直す」そんな機会を持ちたいと思いました。「トモニトウ」のメンバーに相談すると映画にとても興味を持ってくれて、上映会を市内で開催することになりました。


2022年11月20日(日)、市内ギャラリーで行なわれた試写会。金子さんはすでに2回目の鑑賞でしたが、見終えると改めてさまざまな感情が沸き上がり、対話の時間がほしいと思ったのだとか。(写真提供:金子容子さん)

――「当たり前を問い直す」機会を持ちたいということですが、上映会後にワークショップのようなものを考えていますか。


12月10日(土)に「アフターシェア会」を予定しています。また、上映会には、特別ゲストとして木村泰子さん(※)の講演会もあります。

映画鑑賞後に、木村さんの講演を聞き、その上で実施する「アフターシェア会」では、映画や講演会の感想をみんなで話し合うのはもちろんのこと、それをきっかけに、参加者のみなさん自身のことや子どもや学校、社会への思いなどをお互いに話すことができたらそれもいいなと思います。


※大阪府大阪市住吉区にある「大阪市立大空小学校」の初代校長。「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」という理念のもと、発達障害や虐待、不登校など、子どもたちを取り巻く数多くの問題に真正面から向き合う。小学校の1年間に迫ったドキュメンタリー映画『みんなの学校』が大ヒット。現在も全国各地で上映会が行なわれている。

――上映会と「アフターシェア会」を開催することで、参加者の方々にどんなことを感じてほしいですか。


「当たり前」だと思っていたことがすべてではないこと、むしろもっと生き生きと学べるやり方があること、環境が変わることで発揮される力や取り戻せる安らぎがあるということ、そんな可能性に目を向けられるといいなと思います。 大人にとっては、かつて子どもだった自分が欲しかった言葉、過ごしたかった時間が映画の中に見つかるかもしれません。教員という立場で「子どものために」と思って実践していたことも、視点を変えると全く違うものに見えてくるかも知れませんね。 自分が感じる違和感を大切にしながら、それを人に伝えたりしてもいいと思います。参加されるみなさんと本音で話をしたいですね。


また、小中学生の長期欠席や不登校が増えているそんな世の中だからこそ、子どもたちが幸せに生きていくために今何が必要なのかを一緒に考えていきたいです。

そして、この上映会と「アフターシェア会」に参加した方が「何かをやってみよう」だったり、「変わってみよう」と行動する、ちょっとしたきっかけになってもらえたら嬉しいです。


――ありがとうございます。最後に改めて『夢みる小学校』の見どころを教えてください。


一番の見どころは、「責任は大人がとるから、とにかく自由にやりなさい」「楽しくなければ学校ではない」「まず子どもから幸福にしよう、すべてはそのあとに続く」等々の愛のあるフレーズが、学校の中でその言葉のまま体現されている様子です。

私たちが当たり前のように受けてきた教育とはかなり異なった学校の姿に驚きや違和感もあるかもしれませんが、この映画には「私もこんな学校に行きたかった」「小さいころにこんな言葉が欲しかった」という魅力がたくさん詰まっていると思います。 子どもってこんなに生き生き学ぶんだ、こんなことまで考えているんだ、自分たちでここまでできるんだ……そんな希望を感じて、私たち大人の在り方を問い直せたらいいなと思います。


――『夢みる小学校』のご紹介、ありがとうございます。上映会と「アフターシェア会」が素敵な時間になるといいですね。



取材・文・写真(一部提供を除く)

常陸大宮市地域おこし協力隊 谷部 文香



 

『夢みる小学校』上映会について


  • 上映日:2022年11月27日(日)

  • 上映時間:13:00~映画上映(開場:12:30)、14:50~木村泰子さん講演会(16:30終了予定)

  • 会場:常陸大宮市文化センター 大ホール(茨城県常陸大宮市中富町3135-6)※無料駐車場350台

  • チケット(全席指定):前売り 大人1,000円/高校生以下500円 当日 大人1,200円/高校生以下600円 チケット販売についてはこちらから

  • 『夢みる小学校』公式サイト:https://www.dreaming-school.com/


「NPO法人トモニトウ」について


「NPO法人トモニトウ」では、現在会員を募集中です。詳細はこちらをご覧ください。 ※2022年11月現在の情報です。

 
◆取材協力者募集中

本インタビューは「あなたの地域活動を記事にしませんか?取材協力者を募集します!」に基づき、実施したものです。 取材をご希望される方は、こちらをご確認の上、お申込みください。 お申込みから1週間以内(土日祝日を除く)にご連絡いたします。


※内容によってはお引き受けできない場合もございますので、ご了承ください。

 



閲覧数:229回0件のコメント
bottom of page