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【そば道場 久慈川翁】父の店を引き継いで再出発。新しい形のそば屋を目指して。

更新日:2022年7月29日



「他の人がやっていない面白いことがしたい」と笑顔で語る「そば道場 久慈川翁」の店主・瀧澤俊輔(たきざわしゅんすけ)さん。

もともと東京でサラリーマンをしていましたが、父が平成7(1995)年から続けた店が閉店すると聞き、引き継ぐことを決意しました。

そんな瀧澤さんに引き継いだ当時のこと、今後の夢などさまざまなお話を伺いました。


なくなるのは寂しいと、 サラリーマンを辞めて父の店を引き継ぐ


「面白いことがしたいですよね。」と楽しそうに語る瀧澤さん

――「そば道場 久慈川翁」を開業したきっかけを教えてください。


もともと父が平成7(1995)年に立ち上げたお店です。8年ほど営業した後、別の方に一度譲りました。その方がずっと運営していましたが、平成29(2017)年に店を畳むと聞いて、それなら自分が引き継ぐことを決めました。


――そうした経緯だったのですね。引き継ぐまではどんな仕事をしていたのですか。


東京都でそば関係の会社に勤めていました。父が営業している時は、定期的に常陸大宮市へ帰ってきて、手伝っていました。お店がなくなってしまうのは、やはり寂しいという気持ちが強かったですし、思い切ってやってみようと決意しました。


――引き継いでみて大変だったことはありますか。


思い切って引き継いだものの、建物も手直しが必要な部分が色々とありましたし、店を畳むということは、やはり昔のようにお客さんが来ない状態でした。このままではまずいと何かPRできるもの、他の方がやっていないこと、何か面白いことがしたいと、お店の外に足湯を作りました。

「そば屋に足湯はどう思うか」と知り合いに聞いたのですが、誰に聞いても大反対でした。どうしてそば屋に足湯が必要なのかと。


――前例のないものは理解されないことが多いですよね。茨城県初の足湯付きそば屋と伺いました。現在、足湯の利用者はどのくらいいるのでしょうか。


想像していた以上に、たくさんのお客さんが利用してくれます。敷居が高いと思われがちなのですが、足湯を作ったことによって、子ども連れのお客さんが増えました。

意外でしたが反対されながらも足湯を作って良かったです。大子町との境なので、観光シーズンは特にお客さんが多く、皆さん利用してくれますよ。


足湯の次は、キッチンカー!思い描いたアイデアを形にして


周りに反対されながらも作った、足湯。今では、そばを食べに来たお客さんが利用する頻度も高いのだとか。

――そばについては、日本古来の江戸そば・えどきりを出されていますよね。この辺りは昔から変わらないのでしょうか。


そうですね。父が開業した頃から変わらず江戸そば・えどきりを提供しています。

一般的に太打ちのそばが田舎そばで、細打ちが江戸そばと言われます。父がお店を始めた約30年前も、周りは太打ちのそばがほとんどなので、何故ここで細打ちをやっているのだと不思議がられました。

細打ちの方がそば粉が良いので、それをできるだけ分かってほしかったんだと思います。


――お父様も瀧澤さんも他の方がやられていないことが好きなのですね。2021年からはキッチンカーも始められたと伺いました。そば屋のキッチンカーも珍しいですよね。


確かにそうかもしれません。他の人と同じことをやっても面白くないと思います。キッチンカーを始めたのは、現実的な話だと、従業員を雇い入れようと思うと、年間通して売り上げがたたないとなかなか厳しいです。オフシーズンでも雇用し続けられる、そんな仕事やしくみを作っていきたいとキッチンカーを始めました。


――従業員思いなのですね。キッチンカーを始めてみて良かったことはありますか。


場所柄、市内の方よりも県外の方が圧倒的に多いのですが、キッチンカーを始めて、「道の駅常陸大宮~かわプラザ~」や「ショッピングセンターピサーロ」へも行くようになりました。そこで市内の方と接触する機会が多くなり、その流れでお店まで来てくれるお客さんも増えたんです。比較的、地元の方は入ったことがない、少し入りづらい、そんなイメージが変わっていったようです。


最近では、キッチンカーが出ていないからとわざわざお店まで買いに来てくれる方も増えました。有難い話です。


今後の夢は、 そば屋同士の連携と「雇用の場」を提供すること


昔から日本古来の江戸そば・えどきりを提供し続けている

――新しいことに常にチャレンジされているからこその結果だと思います。これからキッチンカーを利用してやってみたいこと、考えていることはありますか。


他のそば屋とも少し話をしましたが、キッチンカーを使って、生そばを売り歩きたいと思っています。ただうちだけが売っても面白くないので、何店舗か一緒に乗せて売ったら皆さんのお役に立てるのではないかと考えています。


市の観光PRも、キッチンカーを使えばもっと機動的に行えるのではないかという思いがあります。それも1台だけでなく、2、3台連なればもっと面白いと思いますし。


――そば屋同士で連携して生そばを提供できたら面白そうですね。最後に、今後の目標などあれば教えてください。


サラリーマンを辞めて、最初は自分でお店を持てばそれなりに稼げるくらいにしか思っていませんでした。

実際に自分で経営してみると、この辺りは、水戸市や那珂市の方まで働きに行ってる方が多いと気付きました。もっとここに仕事があればいいのにと思うようにもなったんです。


例えば、年配の方が「やることがないから草刈りするよ」と言ったとします。それもただ草刈りをするのではなく、何か仕事と結び付けられればいいのにと思います。


「雇用の場」を提供できるほど自分の能力がまだ達していませんが、キッチンカーを増やしたり、耕作放棄地なども綺麗にしてイベントができるスペースを作ったり、空き家を活用してみたり。どこまでできるのか分かりませんが将来的には、放置されているものを活用して、「雇用の場」を提供できるようになりたいと思っています。


そば道場 久慈川翁・瀧澤俊輔さんへのインタビューを終えて


2022年6月1日(水)インタビュー取材の様子

瀧澤さんへのインタビューで感じたのは、とてもアイデアマンな方ということ。どうしたらお店を立て直せるか、お客さんに喜んでもらえるか、常にさまざまなことを考えられているという印象を受けました。考えるだけで終わってしまう人が多い中で、アイデアを形にし続けている瀧澤さん。「他の人がやっていない面白いことがしたい」と語ってくださったときの表情はとても柔らかく、瀧澤さん自身も楽しんでいる様子が伝わってきました。

この場をお借りして、この度はお忙しいところ、インタビューを引き受けてくださり、ありがとうございました。


企画 常陸大宮市商工観光課 商工・企業誘致グループ

写真 常陸大宮市企画政策課 広報戦略グループ

取材・文 常陸大宮市地域おこし協力隊 谷部 文香


 

「そば道場 久慈川翁」店舗情報



住所:茨城県常陸大宮市盛金1112

電話番号:0295-57-9333 営業時間:11:00~16:00(そばなくなり次第終了)

定休日:火曜日・第3水曜日


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※2022年7月現在の情報です。

 

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